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【夏の陽射しと、しなやかに付き合う。】内と外から整える、大人の紫外線対策

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抜けるような青空に、生命力あふれる緑が目にまぶしい季節、夏。心躍る季節の到来とともに、気になるのが燦燦(さんさん)と降り注ぐ太陽の光、紫外線です。
何かと「敵」と見なされがちな紫外線ですが、私たちの体に必要なビタミンDを生成してくれるなど、大切な役割も担っています。大切なのは、闇雲に避けるのではなく、その特性を理解し、しなやかに付き合っていくこと。

この記事では、日焼け止めなどの「外側からのケア」という基本はもちろんのこと、私たちの体を作る「食」を通した「内側からのケア」にも光を当て、日本の夏を健やかに、そして美しく過ごすための紫外線対策をご紹介します。

【 なぜ紫外線対策が必要?肌と体への影響を知る 】

まずは、紫外線が私たちの肌や体にどのような影響を与えるのか、簡単におさらいしておきましょう。地上に届く紫外線には、主に2つの種類があります。

  • UVA(紫外線A波):「生活紫外線」とも呼ばれ、雲や窓ガラスを通り抜けて肌の奥深く(真皮)まで到達します。すぐに肌が黒くなるなどの変化は起こしにくいですが、じわじわと肌のハリや弾力を支えるコラーゲンやエラスチンを破壊し、将来的なシワやたるみの大きな原因となります。
  • UVB(紫外線B波):「レジャー紫外線」とも呼ばれ、屋外での日焼けの主な原因です。肌表面(表皮)に作用し、赤みや炎症(サンバーン)を引き起こします。メラニン色素を過剰に生成させるため、シミやそばかすの原因にもなります。

これらの紫外線は、肌の老化を促進するだけでなく、大量に浴びることで体内に「活性酸素」を発生させます。活性酸素は、細胞を傷つけ、疲労感や免疫力の低下に繋がることも。つまり、紫外線対策は、美容のためだけでなく、夏を元気に乗り切るための健康管理の一環とも言えるのです。

外側から守る。基本にして最も大切な紫外線対策】

日々の暮らしの中で、少し意識を変えるだけで紫外線ダメージは大きく軽減できます。基本となる「外側からのケア」を丁寧に行いましょう。

  1. 自分に合った日焼け止めを、正しく使う

    日焼け止め選びの指標となるのが「SPF」と「PA」です。

  • **SPF:**UVBを防ぐ効果の指標。数値が大きいほど効果が長続きします。
  • **PA:**UVAを防ぐ効果の指標。「+」の数が多いほど効果が高くなります。

通勤や買い物などの日常生活なら「SPF20~30、PA++~+++」、長時間の屋外活動やレジャーなら「SPF50+、PA++++」など、シーンに合わせて使い分けるのがおすすめです。
大切なのは、適量をムラなく塗ること。そして、汗や摩擦で落ちてしまうため、2~3時間おきに塗り直す習慣をつけましょう。顔だけでなく、首の後ろやデコルテ、耳、手の甲など、忘れがちな部分にも丁寧に塗ることが、美しさを保つ秘訣です。

  1. 日本の知恵を活かす、物理的な遮光

    日傘や帽子、サングラスは、日焼け止めと併用することで、より効果的に紫外線を防ぐことができます。UVカット加工が施されたものを選ぶのはもちろん、色選びもポイント。日傘や帽子の内側は、地面からの照り返しを吸収してくれる黒っぽい色がおすすめです。

また、衣類も立派な紫外線対策アイテムです。風通しの良いリネンやコットンの長袖シャツは、直射日光を遮り、肌への負担を和らげてくれます。昔から日本で夏の衣類として親しまれてきた素材には、現代の私たちが見習うべき知恵が詰まっています。

内側から整える。食で叶えるサンケア】

外側からのケアと並行して、ぜひ取り入れていただきたいのが、食事による「内側からのケア」です。紫外線を浴びることで発生する活性酸素から体を守る「抗酸化作用」を持つ栄養素を積極的に摂りましょう。

  1. 紫外線に負けない体を作る「抗酸化ビタミン」

    特に意識したいのが、ビタミンA、C、Eで、「ビタミンACE(エース)」とも呼ばれる栄養素です。

  • ビタミンAβ-カロテン): 皮膚や粘膜を健康に保つ働きがあります。緑黄色野菜に多く含まれ、にんじん、かぼちゃ、ほうれん草、ピーマンなどが代表的です。油と一緒に摂ると吸収率がアップするので、炒め物やドレッシングをかけたサラダなどが良いでしょう。
  • ビタミンC メラニンの生成を抑え、コラーゲンの生成を助ける、美肌に欠かせないビタミンです。夏の旬の食材では、パプリカ、ブロッコリー、ゴーヤ、キウイフルーツなどに豊富です。水溶性で熱に弱い性質があるため、生で食べられる果物や、さっと火を通す程度の調理がおすすめです。
  • ビタミンE 強い抗酸化作用を持ち、「若返りのビタミン」とも呼ばれます。血行を促進し、肌の新陳代謝を助けます。ナッツ類、アボカド、植物油などに多く含まれています。ビタミンCと一緒に摂ることで、その効果が高まると言われています。
  1. 夏の恵み、旬の食材を食卓へ

    夏は、太陽の光をたっぷり浴びて育った、色鮮やかな野菜や果物が豊富に実る季節です。
例えば、真っ赤なトマトに含まれる「リコピン」や、スイカに含まれる「シトルリン」も、高い抗酸化作用を持つ成分として知られています。
きゅうりや冬瓜(とうがん)は、体の熱を冷まし、水分を補給してくれる夏の味方です。

旬の食材は、栄養価が高いだけでなく、その季節に私たちの体が必要とする力を与えてくれます。彩り豊かな夏の食卓は、目を楽しませるだけでなく、紫外線に負けない健やかな体づくりの礎となるのです。

【陽射しを浴びてしまった日のアフターケア

どれだけ気をつけていても、うっかり日焼けをしてしまうことはあります。そんな日は、焦らずに丁寧なアフターケアを心がけましょう。

まずは、冷たいシャワーを浴びたり、濡れタオルを当てたりして、肌のほてりを鎮めます。日焼け後の肌は、水分が奪われて非常に乾燥している状態です。刺激の少ない化粧水でたっぷりと水分を補給し、乳液やクリームで潤いを閉じ込める「保湿」を徹底しましょう。
ゴシゴシこするなど、肌に摩擦を与える行為は厳禁です。あくまで優しく、いたわるようにケアしてあげてください。

【まとめ】

夏の紫外線対策は、単なる美容法ではなく、日本の厳しい夏を心地よく、健やかに過ごすための「暮らしの嗜み」と言えるかもしれません。
日々の丁寧なスキンケア、そして旬の恵みをいただく豊かな食生活。その両輪が、内と外から私たちを支え、輝かせてくれます。

強い陽射しの下で一日を過ごし、少しお疲れ気味の心と体には、優しい甘さのご褒美はいかがでしょうか。
例えば、冷たいお抹茶にそっと阿波和三盆糖を添えたり、旬の果物を使ったひんやりとした葛切りに、上品な甘さの蜜をかけたり。そんな穏やかな時間が、紫外線と向き合った体を優しく癒やし、明日への活力を与えてくれるはずです。

正しい知識と丁寧なケアで、素晴らしい夏の思い出をたくさん作ってください。

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